ディーデル卿同様ディラハン公爵の娘であり、ディーデル卿の3つ子の3姉妹。
他に女児はなくそれぞれ長女、次女、三女である。
その優秀な頭脳と能力故に皆若くして重要職を任されている。
長女:ウルカ
バドム公国王宮警備隊隊長
剣術の達人であり、公国内全国大会で優勝した経歴を持つ。フェンシングにおいては全世界相手でも渡り合えるほどの実力者。
……なのだが、バドムの軍隊には逆に言えば彼女以外に実力者がいない。この国の人間は八割がインドア派であり、運動に秀でた者は国を出て出世することがほとんどのため、彼女の率いる実働隊は万年人員不足に悩まされている。
とはいえ、バドムの防衛システムはその弱点を補って有り余るほどの精密度と防御力を誇るため、彼女はあくまで対侵入者向けの「警備隊長」であり、公爵家の最終防衛ラインである。
次女:スクルア
機械宮殿《パラゾデラマキナ》兵器開発部所属制作指揮官。
重度の機械オタクであり、ディーデルが設計した機械の数々を現実にすることを何よりの楽しみとして生きている発明家。
彼女率いる開発チームは常にバドムの中でも最重要機密の新作兵器を取り扱っており、それを扱えるのは彼女が自他ともに認めるバドム随一の秀才であるが故にだ。しかし、この名誉ある立場は彼女自身の膨大な努力によって支えられているものであり、本質的にはお兄ちゃんに認められたくて頑張る普通の女の子なのである。
三女:ヴェルダンデラ
バドム外務局最高責任者。外交官。
社交的な性格と愛らしい容姿で他国との友好のために日々尽力しているみんなのアイドルである。
姉たちと違い、武力にも機械にも詳しくない。基本的には平和主義者でおっとりとした性格をしており、ただ家族の役に立ちたい一心で他国へと出向く健気な女性。
ほかの姉妹に誰よりも負けないことがあるとすれば、兄であるディーデル・デラモンド卿への愛である。彼女にとって家族とは何よりも大切なものだ。故に、外交において兄から任された要求を絶対に曲げない。意志の強さこそが彼女の武器である。